学術情報

2022.12.28

第6回 イヌへのビフィズス菌給与による糞便臭軽減効果

 私たちヒトと同様、イヌにおいても便通状態は腸内環境との関係が深く、これが乱れると便秘や下痢が起こり糞便臭も強くなります。おなかに良いとされる乳酸菌の仲間にビフィズス菌がありますが、これにオリゴ糖を加えた生菌製剤をイヌに給与した試験報告があります。結果では2週間の給与により、便秘の改善と糞便臭気の軽減が確認されました。ビフィズス菌をはじめとする善玉乳酸菌の継続給与は、ペットの腸内環境を改善し、同時にオーナーの生活を快適にする作用があると考えられます。

 

《 犬の糞便菌叢および便臭に及ぼす Bifidobacterium pseudolongum JBP01株含有

  腸溶性カプセル投与の影響 》 

                          (出典:深田恒夫ら 岐阜大学 2002年)

 

 5か月~5歳齢の一般飼育犬9頭を用い、オリゴ糖を含むビフィズス菌製剤を2週間給与した。給与終了2週間後までの糞の状態、および糞便臭気の変化をスコア化した。結果、やや便秘気味であった供試犬は正常便に回復し、給与期間中の糞便臭気は有意に軽減した。また、この臭気の軽減効果はビフィズス菌製剤の給与を終了した2週間後まで継続した。

 

項目

給与前

給与開始2週間後

給与終了2週間後

糞便性状

1.97

2.00

2.02

臭気

2.03

2.81

2.23

  評価スコア 糞便性状 …1(便秘便)、2(正常便)、3(軟便)、4(水様便)

          臭気 …1(強い)、2(いつもと変わらない)、3(弱い)

 

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