学術情報

2023.04.30

第10回 スイカエキス給与による尿路結石症対策

 スイカにはK(カリウム)が多く含まれるため利尿作用があり、またアミノ酸の1種シトルリンによる抗酸化作用があります。イヌの尿路結石症ケアでは獣医師から水分摂取により排尿回数を増やす指導を受けますが、これは尿路内で結石が大きく形成される前に排出させようとするものです。これを受けてイヌにスイカエキス飲料を与え、尿の性状や尿石の形成に対する影響を調べた報告があります。

 スイカエキス飲料を給与されたイヌは、9頭中5頭において尿比重が低下しました。変化が見られなかった4頭について尿石の相対量を調べたところ、給与3か月後では確認されなくなっていました。尿比重の低下とは希薄な尿、すなわちK(カリウム)による排尿回数の増加を意味します。また尿石の消失はシトルリンの抗酸化作用によって尿路粘膜が健全化した結果、結晶が形成されなくなったためと推察されます。このようにスイカはペットの尿路結石症ケアに有用な果物と考えられます。

 

《 スイカエキス飲料がイヌの血清および尿成分に及ぼす効果 》 

                  (出典:宮井紗弥香ら ヤマザキ学園大学 2016年)

 

 犬種、年齢がさまざまな一般飼育犬9頭にスイカエキス飲料(スイカ果実抽出液、アスコルビン酸を含む)を1日あたり150mL/kg×3か月間給与した。尿比重は給与前全頭1.040以上であったが、9頭中5頭で低下した。尿比重に変化が見られなかった4頭を対象に尿中結石の相対量を測定した結果、給与3か月後では全頭において確認されなかった。以上よりスイカエキス飲料は利尿作用によりイヌに自発的な水分摂取を促し、尿路結石症を予防する効果があることがあると考えられた。

尿比重(正常範囲 1.030~1.045)

供試犬No.

No.1, 2, 3, 4, 9

No.5, 6, 7, 8

給与前

1.040以上

給与3か月後

1.008 ~ 1.026

1.040以上

 

尿石の相対量(-:確認せず  +:確認)

供試犬No.

(尿石結晶タイプ)

No.5

(シュウ酸Ca結晶)

No.6, 7, 8

(ストルバイト結晶)

給与前

- ~ +

給与1.5か月後

+++

- ~ ++

給与3か月後

 

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